【②手術前日 2025年9月の記録】
朝5時半、採血で一日がスタート。
看護師さんたちの早朝の仕事ぶりには、頭が下がります。
この日はちょうど祝日で、検査やリハビリの予定は特になし。
7時半まで少し二度寝をして、ゆっくりと朝を迎えました。
朝食はパンとスープ。量もちょうどよく、素朴ながら美味しい。
昨日の経食道心エコーの影響で、食べ物を飲み込むとまだ少し食道が痛みますが、時間が経てば落ち着きそうです。
手術前日の説明と「安心感」
一日ゆっくりかと思いきや、午前中には外科の先生と麻酔科の先生の説明が続きました。
どちらの先生もとても丁寧に話してくださり、自然と気持ちが落ち着いていきます。
「手術台に乗ったら点滴で麻酔を打ちます。
そのあとは意識がゼロになります。目が覚めたときにはもう終わっていますよ」
担当医のこの言葉で、さらに気が楽になりました。
さまざまなリスクの説明を受け、同意書にサインをしていきます。
いよいよ明日が“本番”ですが、なぜか心は静か。
自分でも驚くほど落ち着いていました。
回収式自己血輸血という選択
今回の手術は「心臓手術(ロス手術)」です。
当然ながら大量出血のリスクもあります。
国立循環器病研究センターでは、出血した自分の血を回収して再び体内に戻す「回収式自己血輸血」を導入しているとのこと。自分の血液なら拒否反応も限りなくゼロに近く、少しでも輸血用血液を節約することにもなります。
先生の説明によると、今後日本では人口減少と高齢化の影響で、輸血用の血液が足りなくなる見込みがあるそうです。
街頭献血などで集められている血液も、いずれ「提供する人より必要とする人が多くなる」時代が来きます。必然的に血液不足の時代がやってくるのです。
まさか、こうした医療現場の課題を自分の手術説明で聞くとは思いませんでした。
輸血によって自分の命が助けられる――そう考えると、これからは献血にも協力しようと強く思いました。
手術前の最終準備
午前中のうちにシャワーを浴び、身体の除毛を行います。
脇や下の方まで、しっかり剃毛が必要です。
その後はイソジンで全身を洗い、完全除菌。
これも立派な「手術準備」のひとつです。
午後は特に予定がなかったので、のんびりと病室で過ごしました。
夕方には妻と父が来てくれて、手術前夜に家族の顔を見られたことで、心がほっと落ち着きます。
夜、病棟のローソンへ降りて、紙パンツ(テープ式)と胸骨サポート用の胸帯を購入。
ちなみにオムツはパンツ式を買ってしまい、翌日買い直すハプニングも(笑)
静まり返った夜の病院では、入院患者さんが黙々とリハビリウォーキングをしていました。
人気のない長い廊下を歩く姿が、少し印象的でした。
手術前夜の心境
夜9時、下剤を飲んで就寝準備。
明日はいよいよ手術本番です。
それでも気持ちはどこか穏やかで、恐怖よりも「やっとここまで来た」という安堵の方が大きかったです。
「頑張るのは先生。自分は寝て起きるだけ」
そう言い聞かせながら、静かに眠りにつきました。
 
  
  
  
  
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