【⑦手術後5日目 2025年9月の記録】
この日は朝から便意を催し、リハビリを兼ねて歩行器を使いトイレまで歩くことになりました。
歩く前の準備が、まず大仕事です。
鼻の酸素チューブ、尿チューブ、お腹に入っている吸引チューブ、ポータブル心電図など。
それぞれを綺麗にまとめて機械ごと台車に載せ、看護師さんが付き添ってくれます。
歩行器に全体重を預け、一歩ずつ進む。
これが想像以上にハードでした。歩行リハビリの風景は見たことはありますが、本人は見た目以上に大変なのが分かりました。
足が思うように前に出ない。
踏み出すたびに、「このまま転ぶんじゃないか」という恐怖が頭をよぎります。
胸もまだ不安定で、バランスを崩すのがとにかく怖い。
わずか10メートルほどのトイレまでの距離が、果てしなく遠く感じました。
用を済ませたあとは、さらにリハビリを兼ねてICU内を遠回りして部屋へ戻ることに。
ところが、足は鉛のように重く、息も上がり、完全に限界。何度も立ち止まっては息を整えて進みます。
途中で引き返し、ベッドの上へ倒れ込むように帰還しました。
「少しずつ慣れていきましょう」と言われるものの、
本当にちゃんと歩けるようになるのだろうか
そんな不安が、正直なところ心に残りました。
何もできない時間の中で感じた、確かな回復
ベッドに戻ってからは、テレビを見る気力もなく、ただぼーっと過ごします。
家族は遠方で、テレビカードもありません。
ただ、昨日よりも起きていられる時間は確実に増えていました。
あれほど苦しかった「5分間隔で目が覚める状態」も、少しずつ落ち着いてきています。
やはり実感します。
チューブが1本抜けるたびに、次のステップへ進んでいる。
この日の午後、ついに最後の1本の管が抜け、尿のチューブも外れました。
これは本当に大きい。
体の自由度が一気に上がり、気持ちもかなり楽になりました。
ICUを出る瞬間、ようやく実感できた「回復」
そしてこの日、ついにICUを出て一般病棟へ移動することになりました。
土日を挟んだ関係もあり、ICUにいたのは約5日間。
長かったようで、あっという間だったようでもあります。
ICUを出るとき、
「ああ、順調に回復しているんだな」
と、ようやく実感が湧いてきました。
移動手段は、最高の乗り物・車イス。
涼しい院内を、風を切りながら、人が歩くくらいの速さで進む車イス。
これはもう、正直めちゃくちゃ気持ちいい。
とはいえ、尿チューブが外れても油断はできません。
冷水や冷たいお茶ばかり飲んでいるので、トイレが近い。
トイレから戻れば喉が渇いてゴクゴク飲む。
すると1時間もしないうちに、またトイレ。
酸素吸入やポータブル心電図モニターはまだ装着中なので、
点滴スタンドにすがるようにしながら移動します。
邪魔くさいけれど、これも回復への過程です。
心臓と歯は、つながっている
この日は1階の歯科も受診しました。
心臓病の人は、必ず歯科にかかるよう指示されます。
口の中で増えた細菌が血流に乗り、心臓に悪影響を与える可能性があるからだそうです。
これまで歯医者は後回しにしがちでしたが、
これからは定期的に通おう
そう、心に決めました。
家族に会えると思うと、心が軽くなる
一般病棟に移ると、面会もしやすくなります。
追加の荷物も含めて、妻がお見舞いに来てくれる予定です。
家族に会えると思うだけで、気持ちがふっと軽くなる。
やっぱり、なんだかんだ言って一番の安心材料は家族なんだな、と感じます。
明日は久しぶりの再会です。

コメント