【2025年4月の記録】
国循(国立循環器病研究センター)を受診したあとは、心臓のことをあまり意識せず、できるだけ普段通りの生活を送っていました。
激しい運動だけは控えつつ、「少し動いたときに息が上がらないか」「疲れ方が以前と違わないか」――そんなことを気にかけながらの毎日です。
僕の仕事は企業営業が中心ですが、今は管理職ということもあり外回りよりもデスクワークが中心。
体に大きな負担がかかるような動きはあまりありません。
それでも、重い荷物を運んだ後などに「体全体がだるくなる」「動きが鈍る」といった感覚が残ることがありました。
また、子どもの運動会で一度だけ走ったときも、直後は問題なかったのに午後から急にぐったりして動けなくなり、半日ほど眠ってしまうほどの疲労感を覚えました。
こんなときは、「やっぱり何かあるのかもしれない」と、少し不安がよぎります。
再びクリニックへ ― 国循後のフォロー
そんな体調の違和感を相談するため、地元のクリニックを再び受診しました。
国循から診療情報が共有されていたため、話はスムーズ。
次の国循再診(7月)まで、どのように過ごすかを相談する中で、
医師から「24時間ホルター心電図を一度つけてみましょう」と提案されました。
24時間ホルター心電図とは
ホルター心電図とは、小型の心電計を胸に貼りつけ、24時間の心電図を記録する検査です。
日常生活の中で心臓がどのように働いているか、不整脈や狭心症などが起きていないかを確認できます。
装着してみると意外と違和感はなく、生活に支障もほとんどありません。
防水加工されているため、シャワーもOK。
1日を普通に過ごすだけで、心臓の動きを「リアルタイムで可視化」できるのはすごい技術だと感じました。
また、同時に渡された小さなメモ帳には、
「起床」「食事」「トイレ」「シャワー」「運動」など、行動を細かく記録します。
後で心電図データと照らし合わせ、どんな行動のときにどんな変化が起きたのかを分析できるのです。
「自分の1日のすべてが心臓の鼓動とともに記録される」――
そう思うと少し緊張感がありましたが、自分の体の真実を知る機会でもあります。
結果 ― 頻発する不整脈
翌日、自分で電極を外してクリニックに提出。
数日後の診察で結果を聞くと、「不整脈が目立ちますね」とのことでした。
大動脈弁閉鎖不全症とは直接の因果関係ははっきりしないものの、
通常よりも不整脈の発生頻度が多いとの結果。
アップルウォッチでも心電図を取ることがありますが、
波形が一部“下向き”に出ることがあり、それが「心室性期外収縮」と呼ばれるタイプの不整脈でした。
これが起きると、胸の奥で「トクットクッ、ビクン」と不規則な鼓動を感じます。
体調にすぐ影響は出ないものの、気持ち悪さや不安感はどうしても残ります。
この日から、不整脈の薬を服用することになりました。
心室性期外収縮とは
初めて耳にする人も多いと思いますが、これは心臓の心室で、本来のリズムとは別に早めの拍動が起きる状態のことを言います。
心臓はふつう、右心房にある「洞結節」という部分がリズムをつくり、その信号に合わせて一定のテンポで動いています。
ところが、心室の筋肉が勝手に電気信号を出してしまうと、予定外の「ドン」という拍動が入り、これが期外収縮です。一瞬「脈が飛んだ」「ドクンと強く打った」と感じる人もいるそうです。
実は、この心室性期外収縮自体は珍しいものではありません。
健康な人にも起こることがあり、ストレス・睡眠不足・カフェイン・疲労などがきっかけになることもあるそうです。
ただし、大動脈弁閉鎖不全症などのように、心臓が構造的に負担を抱えている場合は少し注意が必要です。
弁がうまく閉じずに血液が逆流すると、心臓はそれを補おうとして強く、速く動こうとがんばります。
その結果、心室の電気バランスが乱れ、こうした期外収縮が出やすくなることがあります。
僕の場合も、最初は「たまに胸がトクンとする」程度でした。
けれど検査を重ねるうちに、弁の逆流と心室性期外収縮が関係していることが分かりました。
つまり、この期外収縮は、単なる“疲れ”や“ストレス”のサインではなく、心臓が発している小さなSOSである場合もあります。
自覚症状が軽くても、定期的な心電図やエコーで確認しておくことが大切だと感じました。
少しずつ、身体と向き合う
今回の病気をきっかけに、自分の身体と本気で向き合うようになりました。
検査を受けるたびに、自分の心臓の“今”が明らかになっていく。
それは怖さでもあり、どこかで安心感でもあります。
一つひとつの検査や治療が、壊れかけた身体を少しずつ整えていく――
そんな感覚を持ちながら、次のステップへ進む準備をしていました。
- 国循後も軽度の疲労感があり、24時間心電図検査を実施
- 不整脈(心室性期外収縮)が確認され、薬の服用を開始
- 検査を通じて自分の心臓の動きを「見える化」できたことで、
- 病気と共に生きる感覚が少し前向きになった
 
  
  
  
  

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