病気の発覚

診断

【2024年11月の記録】

勤務先の健康診断は毎年欠かさず受けています。
2024年12月、46歳を迎えた自分も「今年も元気で過ごせますように」と軽い気持ちで臨みました。

ただ、一つだけ気になっていたことがありました。
最近一日に何度か、心臓がドクドクと強く脈打つこと。苦しいわけではないけれど、妙に心臓を意識させられる瞬間がありました。「次の健康診断で先生に聞いてみよう」――そう思いながら、検査を受けていきました。

聴診器が止まった瞬間

最後のバリウム検査を憂鬱に感じながら、医師の問診で、聴診器を当てた先生の手が一瞬止まりました。
「ん・・・!?」沈黙の数十秒が、やけに長く感じられます。

「息切れや動悸はありますか?雑音が聞こえますね。前からですか?」

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が冷たくなるような感覚に襲われました。
「雑音?心臓に?」「あの違和感はこれか」――そのまま、翌日の受診を勧められました。

精密検査と告げられた病

心電図では期外収縮が目立ちます。通常上向き波形がでるところ、心臓のビクビクっと合わせて下向き波形が連続して発生しています。心臓エコーではこれでもかと時間をかけてじっくりと心臓と血管を調べられました。
検査中も、結果を待つ間も、「まさか自分が病気なんて」と自分に言い聞かせていました。

しかし、医師の口から出た言葉にショックを受けました。

「大動脈弁閉鎖不全症です。大動脈の基部が拡がり、弁がきちんと閉じずに血液が逆流しています。心臓に負担がかかっている状態です。治療するには手術しかありません」

「死ぬかもしれない」とよぎった

病名を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になりました。
医師は丁寧に説明してくれているのに、言葉が遠くで響いているようにしか聞こえません。聞きなれない病名、特に心臓ということもあり不安しかありません。

ふと心に浮かんだのは――「自分は死ぬかもしれない」。

今まで大きな病気も入院もしたことがなかった自分が、突然「生と死」の境界に立たされたような感覚でした。

頭に浮かんだのは家族の顔。
妻と四人の子どもたち。末っ子はまだ小学一年生。まだまだお父さんが必要な時期です。「自分がいなくなったらどうなるのか」――その想像だけで胸が締めつけられ、呼吸が浅くなりました。

必死で医師の言葉に耳を傾けました。

少しの安堵と重い現実

医師はこう続けました。

「今すぐ手術という段階ではありません。ただし、逆流による左心室の拡大が進行すれば、手術ということになります。弁を治しても15~20年後には弁の劣化による再手術が必要になる可能性もあります。年齢を考えると早すぎても遅すぎてもいけない、しかるべきタイミングが重要です」

「今すぐではない」――その言葉に少しホッとしました。
しかし同時に、自分の身体に時限爆弾を抱えているような現実を突きつけられました。

より詳しい検査のために、国立循環器病研究センターを紹介されました。自宅からは2時間半。決して近くはありませんが、国内屈指の実績と設備がある施設であれば安心して挑める。迷うことなく決断しました。

同じ世代へのメッセージ

40代を過ぎると、体の中に思わぬ異変が隠れていることがあります。
私は「ちょっとした違和感」をきっかけに、自分でも想像していなかった心臓病と向き合うことになりました。

健康診断は面倒に感じることもあるかもしれません。でも、それが命を救うきっかけになることもあります。気になる症状があれば、迷わず精密検査を受けてください。病気は時間との勝負です。

このブログで伝えたいこと

これからこのブログでは、診断から手術、入院生活、リハビリ、そして新たな挑戦まで、私自身の体験をありのままに記録していきます。

同じように心臓病と向き合う方や、そのご家族にとって、少しでも共感や安心につながる情報になればと思います。

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